はじめに
こんにちは、行政書士の岡部です。
5月に行政書士として開業し、本日6月29日、日本政策金融公庫の創業融資が無事に着金しました。
ありがたいことに希望額の満額で融資を決定していただき、本日無事に入金されて、改めて身が引き締まる思いです。
行政書士としては、まだまだスタートしたばかりですが、これからきちんと返済を続けながら、一日でも早く事業を軌道に乗せられるよう取り組んでいきます。
なぜ創業融資を受けようと思ったのか
コロナ禍で感じた資金繰りの重要性
行政書士は、比較的少ない資金でも開業できる仕事です。そのため、自己資金だけで始めるという選択肢もありました。
それでも私が創業融資を利用しようと思ったのは、これまでの仕事で資金繰りの重要性を実感してきたからです。
例えば、以前、個人事業主だった時、開業してすぐに新型コロナウイルス感染症が蔓延しました。
その中で、バタバタと小規模事業者の販路開拓支援やオンライン化、SNS活用などのお手伝いをしてきました。予期しない出来事が起きたとき、すぐ動ける事業者とそうでない事業者では対応力に大きな差があることも感じました。
また、保育園が度々休業するなど、自身の働き方にも困る場面が多くありました。
このような緊急事態下に補助金も多々ありましたが、私は、事業が続けられなくなる一番の原因は、現金がなくなることだと考えています。もちろん売上や利益も大切ですが、資金が尽きてしまえば、事業を続けることはできません。
創業時に借りるという判断をした理由
だからこそ、創業から3年くらいまでに、まず事業を安定させることを第一に考えています。
その間に何が起こるか、誰にも分かりません。
創業時は比較的融資を受けやすく、設備資金も活用できます。いわば創業期ならではのタイミングを活かし、必要な資金は早めに確保しておきたいと考えました。
自己資金も準備したうえで、必要な資金は融資も活用し、資金繰りに余裕を持たせる。そうすることで、営業活動や実務の勉強に集中でき、お客様にもより良いサービスを提供できるのではないかと考えました。案件によっては、立替金が発生する場面も想定されます。
そうした意味でも、困ってから借りるのではなく、借りられる時期に備えておくという考え方を選びました。(本当に困ってしまったら、借りにくいはず。)
もちろん、自宅開業で資金を抑えるなどの工夫をされている方も多いと思います。
私の場合は全体的なリスクヘッジと資金繰りを考えて、現状これでやってみよう、と覚悟を決めて臨みました。
融資申し込みから入金までのタイムライン
行政書士など、開業に許認可や登録が必要な業種では、融資決定後に登録(許認可)の完了を確認したうえで、契約・着金となるケースがあります。
私の場合は、次のようなスケジュールで進みました。
- 3月12日 日本政策金融公庫へ事前相談、創業融資申込み
- 3月23日 公庫で面談
- 4月8日 融資決定の電話連絡(この日以降、設備資金として計画していた支出も実行可能に)
- 4月16日 行政書士登録申請
- 5月15日 行政書士登録完了
- 5月下旬 交付式後に登録証などを公庫へオンライン提出
- 6月末 融資着金
登録準備と融資準備を並行して進めていたため、この時期は少し慌ただしかったです。
なお、事前相談は必須ではありませんが、私は創業計画書について改善できる点がないか確認したく、事前相談を利用しました。
また、登録完了後に契約手続きを進める必要があったため、登録スケジュールも考慮し、6月末の着金となるよう調整しました。
※許認可の種類や事業内容、公庫との契約内容によって、手続きの流れは異なる可能性があります。
融資では何に使う予定だったのか
設備資金として計画したのは、
- オフィス初期費用
- パソコンなどの備品
- 行政書士登録費用
運転資金としては、
- オフィス家賃
- 営業活動に必要な費用
などを計画しました。
これが必ず通るわけではないと思いますので、この点もご了承ください。
面談で感じた、公庫が見ているポイント
面談を受けて感じたのは、すごい実績や経験があるかよりも、事業として成り立つ準備ができているかを丁寧に見られているということでした。
特に印象に残ったのは、
- 自己資金をどのように準備してきたか
- 創業計画書に一貫性があるか
- これまでの経験をどう事業に活かせるか
- どうやって集客するか
- 開業後、早い段階で売上を作るための計画と覚悟があるか
という点です。
公庫は創業を応援してくれる機関ですが、同時に金融機関でもあります。
この事業は、集客し、売り上げを作り、返済できるのかという視点は、当然ながらしっかり確認されている印象でした。
一番詳しく聞かれたのは「集客方法」
面談で一番詳しく質問されたのは、集客についてでした。
- どんな業務を中心に取り組むのか
- どうやって集客するのか
- 半年以内にどう売上を作る予定なのか
このあたりは、事前相談の時点から、かなり具体的に聞かれました。
私は創業相談を行って考えた営業の計画や、自分でできる集客の案など、具体的な行動計画を別紙にまとめて持参しました。
やはり詳しく聞かれたり、親身なアドバイスをいただいたため、どうやって売り上げを作っていくのかを見られているのだと感じました。
自己資金について
自己資金については、いくらあるかだけではなく、どのように準備してきたかも確認していると思います。
私は、事業用として準備してきた預金について説明したほか、資金移動の透明性を証明する資料として子ども名義の通帳も提示しました。また、夫の確定申告書や決算書も見せています。もちろん、これらを事業資金として使う予定はありません。
このあたりは、資金面と合わせて、家族の理解があるか、家庭の生活基盤はどうなっているかという点もみられていると感じました。
あくまで私個人の印象ですが、創業後に事業を継続できるかという観点から、生活面についても確認されているのかもしれません。
創業される方へ
創業期は、本当にやることがたくさんあります。
創業計画書の作成だけでも時間がかかりますし、それと並行して事務所探し、契約、開業手続き、ホームページ制作、名刺づくり、営業活動など、気づけばスケジュールがいっぱいになりやすい時期です。
私は創業計画書を自分で作成しました。これは事業を整理し、自分自身の考えを言葉にする、とても大切な時間だったと思っています。
一方で、事業によっては並行する作業や現場仕事が多く、「ここは専門家に相談した方が早い」と感じる場面もあるはずです。
限られた時間をどこに使うかも、創業期の大切な経営判断の一つだと思います。
私自身も今回の経験を通じて、創業融資は単なる資金調達ではなく、事業をどう始めるか考える大切な機会であると実感しました。
今回は申請する側として創業融資を経験しましたが、今後は行政書士としてこの経験も活かし、創業される方や補助金・融資など資金調達を検討されている方を支援できるよう成長していきたいと思っています。
この記事が、これから創業される方の参考になれば幸いです。
実は来月には、創業融資支援に関する研修も受講する予定です。その際には、お世話になった公庫の方にも直接お礼をお伝えできればと思っています!

